2015年名古屋大会でのワークショップのまとめ
2015年11月15日
日本環境教育学会、法人化検討ワーキンググループ
(1)はじめに
法人化検討ワーキンググループは2015年8月23日(日)第26回名古屋大会の自主課題研究において「学会法人化に関するワークショップ」を主宰した。
第26大会ではワークショップとともに、22日、23日の両日大会受付脇でアンケート調査も実施したので、それも合わせて報告する。
(2)アンケート結果
8月22日、23日に学会大会受付脇で実施したアンケート調査に書き込んでもらえた数は、合計19件で、決して多くなかったし、その大半が「法人化は必要か?」という問いへの意見で占められました。
そのうち法人化に前向きな意見としては、「メリットが多いのであれば法人化したほうが良いと思う。」「法人化のメリットは信頼性が増す→資金調達がしやすい・業務委託が受けやすい⇒必要か? 」「今後の事業拡大のことを考えれば必要か。利益を出す事業、会員拡大も考える。」「学会の体制強化は法人化する事で可能となる」「お金の収支をきっちりするためにも必要です。」「法人化賛成」」「運営がしっかりする(と思う)ので、基本的には良いと思います。」など7~8件で法人化することで運営体制が強化されることを期待するものが多数を占めました。
法人化に慎重な意見としては「法人化することで営利的な団体・組織になるのではないか。払しょくしきれない。」「法人化のための出費のために会費が上がらないように」「総会で会長がおっしゃっていた法人化の必要性は、今のままでも対応は可能です。もっと研究を!!」の3件。議論を尽くすことへの要望が2~3件ありました。
そのほかの意見としては、「現存の支部活動はこれを完全に保障していく(必要がある)」「法人化したら支部は営業所あつかいになる。支部の負担も増す。考えもの。」という支部に関する意見が2件でした。
(3)ワークショップ
8月23日15:30~17:30の「自主課題研究」の時間枠で実施した「学会法人化に関するワークショップ」には15人が参加(ただし、理事が3分の2)しました。まず大会受付脇で実施したアンケート調査を読み上げて内容を確認したあと、4人ずつ(1グループのみ3人)の4グループに分かれ、ワールド・カフェ形式で20分間の意見交換を3セット行いました。それぞれのグループで取り上げるテーマは自由としましたが、多くのグループで「法人化は必要か?」を軸に意見が交換されたことは、そのあとの議論の概要報告からもうかがわれました。
(3-1)グループ意見の集約
各グループで出された意見の中には、総会で会長が述べたことやアンケートの記載と重複するものがありましたが、そこで出されたものを集約するとおおむね以下のようになります。
①法人化のメリット・デメリット
法人化については、メリット・デメリットを明確にしておく必要がある。メリットとしては、社会的信用が得られること、事業契約が可能となること、学術会議でポジションを得る可能性が高まること、通帳を個人が持つという問題が解消されること等々、デメリットとしては、税金等の経費の増加、事務局の負担増、法人法のもとで活動がしばられる可能性等々。
②学会の役割
環境教育学会の役割は何かを考える必要があり、法人化についてはメリット・デメリットという観点からだけではなく、目的という観点が重要である。社会的な公正さをアピールする、事業の拡大や助成や受託の可能性を広げるという目的がある。
③社会的な責任
学会を取り巻く社会的潮流は変化しており、牧歌的な時代は終わろうとしている。法人化にともなって金銭管理の明確化など、義務や責任が増大するが、それらは引き受けざるを得ないことである。他学会も法人化を進めている中で、法人化を進めないことは、税務調査の対象になる危険性もある。
④事業
法人化後にどのような事業をするかが明確でない。ビジョンと計画に基づいて事業を考えるべきで、営利団体に走るべきではない。事業評価もこれまで十分にできていなかった。
⑤支部
現段階では支部活動のあり方をどうするかが不明確で、評議員選挙の地方区との整合性についての議論も不十分である。
(3-2)今後の進め方
これらの概要報告の後、最後の全体ディスカッションでは、「今日の結果はどう生かすのか」という質問が出され、それに対し、「まずは、法人化検討ワーキンググループで今回のアンケートやワークショップを受けて今後の方向性を取りまとめてもらい、それに基づいて理事会が最終判断をして総会に諮ることになる。」という返答をしました。
また、ワーキンググループのメンバーから、支部のあり方と、支部と地方区との整合性の問題がまず取り組むべき課題という認識が示され、9月中に、支部と地方区問題に特化したワーキンググループの会合を持つことが決まりました。
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2015年名古屋大会でのワークショップのまとめ
2015年11月15日
日本環境教育学会、法人化検討ワーキンググループ
(1)はじめに
法人化検討ワーキンググループは2015年8月23日(日)第26回名古屋大会の自主課題研究において「学会法人化に関するワークショップ」を主宰した。
第26大会ではワークショップとともに、22日、23日の両日大会受付脇でアンケート調査も実施したので、それも合わせて報告する。
(2)アンケート結果
8月22日、23日に学会大会受付脇で実施したアンケート調査に書き込んでもらえた数は、合計19件で、決して多くなかったし、その大半が「法人化は必要か?」という問いへの意見で占められました。
そのうち法人化に前向きな意見としては、「メリットが多いのであれば法人化したほうが良いと思う。」「法人化のメリットは信頼性が増す→資金調達がしやすい・業務委託が受けやすい⇒必要か? 」「今後の事業拡大のことを考えれば必要か。利益を出す事業、会員拡大も考える。」「学会の体制強化は法人化する事で可能となる」「お金の収支をきっちりするためにも必要です。」「法人化賛成」」「運営がしっかりする(と思う)ので、基本的には良いと思います。」など7~8件で法人化することで運営体制が強化されることを期待するものが多数を占めました。
法人化に慎重な意見としては「法人化することで営利的な団体・組織になるのではないか。払しょくしきれない。」「法人化のための出費のために会費が上がらないように」「総会で会長がおっしゃっていた法人化の必要性は、今のままでも対応は可能です。もっと研究を!!」の3件。議論を尽くすことへの要望が2~3件ありました。
そのほかの意見としては、「現存の支部活動はこれを完全に保障していく(必要がある)」「法人化したら支部は営業所あつかいになる。支部の負担も増す。考えもの。」という支部に関する意見が2件でした。
(3)ワークショップ
8月23日15:30~17:30の「自主課題研究」の時間枠で実施した「学会法人化に関するワークショップ」には15人が参加(ただし、理事が3分の2)しました。まず大会受付脇で実施したアンケート調査を読み上げて内容を確認したあと、4人ずつ(1グループのみ3人)の4グループに分かれ、ワールド・カフェ形式で20分間の意見交換を3セット行いました。それぞれのグループで取り上げるテーマは自由としましたが、多くのグループで「法人化は必要か?」を軸に意見が交換されたことは、そのあとの議論の概要報告からもうかがわれました。
(3-1)グループ意見の集約
各グループで出された意見の中には、総会で会長が述べたことやアンケートの記載と重複するものがありましたが、そこで出されたものを集約するとおおむね以下のようになります。
①法人化のメリット・デメリット
法人化については、メリット・デメリットを明確にしておく必要がある。メリットとしては、社会的信用が得られること、事業契約が可能となること、学術会議でポジションを得る可能性が高まること、通帳を個人が持つという問題が解消されること等々、デメリットとしては、税金等の経費の増加、事務局の負担増、法人法のもとで活動がしばられる可能性等々。
②学会の役割
環境教育学会の役割は何かを考える必要があり、法人化についてはメリット・デメリットという観点からだけではなく、目的という観点が重要である。社会的な公正さをアピールする、事業の拡大や助成や受託の可能性を広げるという目的がある。
③社会的な責任
学会を取り巻く社会的潮流は変化しており、牧歌的な時代は終わろうとしている。法人化にともなって金銭管理の明確化など、義務や責任が増大するが、それらは引き受けざるを得ないことである。他学会も法人化を進めている中で、法人化を進めないことは、税務調査の対象になる危険性もある。
④事業
法人化後にどのような事業をするかが明確でない。ビジョンと計画に基づいて事業を考えるべきで、営利団体に走るべきではない。事業評価もこれまで十分にできていなかった。
⑤支部
現段階では支部活動のあり方をどうするかが不明確で、評議員選挙の地方区との整合性についての議論も不十分である。
(3-2)今後の進め方
これらの概要報告の後、最後の全体ディスカッションでは、「今日の結果はどう生かすのか」という質問が出され、それに対し、「まずは、法人化検討ワーキンググループで今回のアンケートやワークショップを受けて今後の方向性を取りまとめてもらい、それに基づいて理事会が最終判断をして総会に諮ることになる。」という返答をしました。
また、ワーキンググループのメンバーから、支部のあり方と、支部と地方区との整合性の問題がまず取り組むべき課題という認識が示され、9月中に、支部と地方区問題に特化したワーキンググループの会合を持つことが決まりました。