熊本地震に関する緊急声明
Urgent Statement regarding Kumamoto Earthquakes (in English)
この度の熊本地震で被災された方々、ご家族や知人が被災された方々にお見舞いを申し上げます。震災による死傷者の苦痛はいうまでもありませんが、今なお余震が続き避難生活をされている方々の精神的・肉体的苦痛も日を追うごとに深まっていることと思います。
多くの学会員が関わってきた一般社団法人RQ災害教育センターでは、九州地区の自然学校関係者と連携して救援活動に着手しはじめています。東日本大震災後の復興と同様に、今回の被災地の復興も多大な困難が予想されますので、そのような活動に積極的にかかわることは極めて重要でしょう。
教育に関わる学会として、被災地の子どもたちの教育についても注視する必要があります。現在、多くの方々が避難生活をされていますが、学校が避難所となっている状況が長期化する可能性もあります。今後、子どもたちの教育の場を確保したり、新たに教育の場を創り出す工夫をしたりすることも、私たちが取り組むべき課題かもしれません。子どもたちだけでなく、高齢者やハンディを持った方々、外国人など社会的に弱い立場にある方々への特別な配慮も必要でしょう。
他方で、これからもかなり高い確率で大地震が生じると予想されています。東日本大震災からわずか5年余りでこのような大きな震災が発生したのですが、今回の地震が引き金となって、また別の大地震を誘発するのではないかと危惧する意見も出されています。このような状況を直視した場合、防災教育のより一層の充実に早急に取り組む必要もあります。環境教育の立場からより適切な防災教育の在り方を追求することも私たちの果たすべき大きな役割であろうと思われます。
先を見通しにくい今日の社会について、これまでにも私たちはその持続可能性を模索してきました。そのような経験を活かしつつ、今回の事態に対して、思考を深め、適切な判断をし、そして実践に移すことが求められていると思います。
学会としましては,現下の窮状に対して可能な支援策を検討していますが、まずは、会員相互の情報交換の場を早急に設けたいと考えております。会員相互にどのような支援が必要か、また、支援が可能かを申し出ていただくことで、被災された方々に対する支援の環境を少しでも整えたいと思います。
多くの会員から、今私たちのなすべきことについての具体的な提起がなされ、より多くの会員が周りの人びとを巻き込むことでその行動の力が増していくことを願っています。
日本環境教育学会 会長 諏訪哲郎
2016年4月20日