日本環境教育学会「公害教育」研究会

連続学習会【第1回:公害教育実践in水俣&四日市】Zoom meeting

 

「公害教育」研究会では、公害教育に取り組んでいたり、かつての取り組みを振り返ったり、公害についてさまざまな関心を寄せている方々をつなぎ、学習できる場を作りたいと考えています。これまで本研究会では『公害スタディーズ』(ころから、2021年)を作成し、執筆者のトークで構成する「公害ラヂオ」を開催しました。本書は、多様な事例に基づき、公害に学ぶことに、今どのような意義があるかわかりやすく紹介したものです。

このような成果をふまえ、これからは各地の実践者・研究者をつないで、公害教育の豊かな広がりをつくることが課題だと考えています。そこで今回、連続学習会を企画しました。第1回は「教材」がテーマです。公害教育実践についての情報共有や意見交換をするとともに、公害をどう表現するか、SDGsや環境危機がいわれる現代においていかに公害を学ぶのか、など縦横無尽に議論ができればと考えています。関心のある方はどなたでもご参加いただけますので、ぜひ学びの輪に加わってみませんか。

 

《概要》

・日時:2023年6月10日(土)午後13:30-15:30

・開催方法:オンライン(Zoom)

・内容:水俣と四日市からの実践報告

・申込方法:参加申し込みフォームにご記入ください。URLを配信します。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd5EN4JqTwL_Fp-UPIP0YyEGiZdG9Xus1ktK6xAtVzzDwRe6Q/viewform?usp=sf_link

・日本環境教育学会の会員以外の参加も大歓迎(参加費無料)

 

《当日のゲストスピーカーと報告内容の紹介》

■奥羽香織さん(水俣病を語り継ぐ会 会員・水俣写真家の眼 プロジェクトコーディネーター)

・2022年度文化庁Innovate MUSEUM事業の助成を受け水俣病センター相思社と協働して、水俣を伝える新しい教育コンテンツとしてシルクスクリーンを用いたワークショップ教材、フォトランゲージ用冊子、紙芝居『しらぬいさん』『みつこの詩』を作った。直接の「当事者」の高齢化が進み、また水俣病発生当時の暮らしと現在の暮らしの隔たりが大きくなっていく中で、今何ができるのか検討を重ね、授業実践の中で、できるだけ使いやすい形を模索している。

 

■早川寛司さん(四日市市立富田小学校教諭・日本福祉大学非常勤講師)

・小学5年生社会科で四日市ぜんそくのため、1972年に亡くなった小学4年生の女の子(尚子さん)と家族を描いたマンガ「ソラノイト」を活用し、四日市公害の学習を実践している。「尚子さんに謝らなければいけないのは誰なのか」、「なぜ、尚子さんは亡くならなければいけなかったのか」、「尚子さんが生きていたら、私たちに何を伝えたいだろうか」…マンガを読み進めながら具体的に子どもたちに問いかけることで、公害の原因や責任はどこにあるのか、私たちはこれからどうしていったらよいのか、と考えを深めていく学習になることを願いながら教育実践を行なっている